『障害年金の壁を越えて、ともに支え合う社会へ
~当事者・家族の声、現場の課題、そして社会の責任~』

みなさん、おはようございます😄

NPO法人しおん代表の楠 昇です。

長らくご無沙汰しております。




NPO法人しおんでは、障害や難病を抱える方やご家族の「声」を大切に、日々支援活動を行っています。

今回は、障害年金の申請現場で当事者や家族が直面している「壁」や課題、そして社会全体で取り組むべき責任について、実際の声や専門家の解説、当事者団体や大臣のメッセージも交えてお伝えします。



1. 障害年金の現場で起きていること

障害年金の申請や相談の現場では、次のような困難や理不尽な対応に直面するケースが後を絶ちません。


■当事者・家族の声・具体的な事例

●年金事務所での委任状問題
指定様式以外の委任状では相談すら拒否されることがあり、当事者や家族が窓口で困り果てるケースがあります。

●FAX相談の利用制限
年金事務所へのFAX利用が聴覚・言語障害者に限定されており、他の障害の方には想定外として利用できない現状があります。

●診断書を作成してもらえない問題
うつ病で離職した方が診断書を作成してもらえず、障害年金の請求自体ができなかったり、カルテに記載が全くなく申請できなかったという事例も複数報告されています。

●医師による診断書作成拒否
公的病院で大動脈瘤破裂の手術を受けたにもかかわらず、「太っていることが原因だから医療行為ではない」と医師が診断書作成を拒否した例や、末期がん患者の主治医が「もうすぐ死ぬのに今さら申請して何になる」と診断書作成を拒否したケースもあります。

●遺族への説明責任の欠如
亡くなった後、遺族に年金の支払通知が届いたものの、内容や等級の説明がなく、問い合わせても納得のいく説明が得られなかったという声も届いています。

●支援機関の対応の不十分さ
よろず支援窓口で「障害等で自力でできない人以外は引き受けていない」と言われ、補助金申請の支援を2年間も放置された例もありました。



2. 当事者団体の強いメッセージ

2024年度の障害年金不支給急増問題を受け、知的障害者やその家族で構成される「全国手をつなぐ育成会連合会」は、以下のように強く抗議する声明を発表しました。



「障害基礎年金は、特に中重度の知的障害者にとって生活費の礎となるものであり、極めて重要です。仮に今回の報道が事実だとすれば、まったく看過できない、許しがたいとさえいえる事態であると考えております。」

全国手をつなぐ育成会連合会「障害年金の判定に関する声明」



さらに同会は、

・厚生労働省に対し「報道内容の事実確認と結果の公表」を強く要求

国連・障害者権利条約の対日審査で勧告された「障害基礎年金の支給額について障害当事者団体と協議する」ことの即時実施

日本年金機構職員による判定誘導の疑いについて「事実なら許しがたい」

などを明記し、制度の透明性と公正な運用を強く求めています。



3. 社会的障壁をなくすために

こうした社会的障壁について、政府も本気で向き合い始めています。

三原じゅん子・内閣府特命担当大臣は、公式の場で次のように語っています。

「障害は、心身機能に障害がある方々の社会参加を困難にしている事物、制度、慣行、観念など、様々な社会的障壁によって生み出されるものであり、こうした障壁を取り除くのは、社会全体の責務であります。」

内閣府・第3回推進本部会合議事概要(PDF)



4. ともに支え合う社会へ

障害年金の申請や受給は、単なる手続きではなく、当事者や家族の「生きる権利」を守るための大切な一歩です。

困難や壁にぶつかったとき、どうか一人で抱え込まず、私たちNPO法人しおんや地域の仲間に声をかけてください。

「ともに支え合う」ことが、きっと新しい一歩につながります。



5. あなたの声を聞かせてください

この記事を読んで、

・「同じような経験をした」

・「こんな支援があったらいいと思う」

・「制度についてもっと知りたい」

など、ご意見やご感想がありましたら、ぜひコメントやお問い合わせでお聞かせください。

あなたの声が、制度改善と共生社会の実現につながります。



参考・関連サイト

全国手をつなぐ育成会連合会「障害年金の判定に関する声明」

内閣府・三原大臣発言(PDF)





NPO法人しおんは、障害や難病を抱える方、そのご家族の声に寄り添い、誰もが自分らしく生きられる社会を目指して活動しています。



【ポイントまとめ】

障害年金の申請現場では、さまざまな「壁」や理不尽な対応が起きています。

当事者団体や政府も、制度の透明性と公正な運用を強く求めています。

・一人ひとりの声が、制度改善と共生社会の実現につながります。

・困ったときは、どうぞ私たちにご相談ください。

『社会的障壁を越えて』
~ともに生きる社会の未来~
2025/5/3